世界初のエンジン組込み型SCR装置(iSCR)搭載の新型エンジンを納入
2024年11月19日
株式会社三井E&S DU(所在地:兵庫県相生市、社長:匠宏之)は、世界初※1のiSCR(integrated Selective Catalytic Reduction)装置を搭載した新型エンジン5X52-S2.0型ディーゼルエンジン1基を国内造船所に納入しました。 当該エンジンは、当社内の試験を当初の計画通りに終え、2025年5月に就航予定の4万重量トン型のばら積貨物船に搭載されます。
このiSCRは、国際海事機関(IMO)のNOx(窒素酸化物)排出規制に対応するため、ライセンサであるWinGD社が新たにリリースしたもので、排気溜り下の空きスペースにSCRを設置することにより、エンジンルーム内のスペースを効果的に抑えることができます。また、スペース節約効果により、造船所の艤装作業をより迅速かつ効率的に行うことで、船舶建造工程の短縮と艤装コスト削減が期待されます。
更に、iSCRは熱損失が少ないことから、従来型のSCR装置に比べて触媒の数を少なくすることができます。触媒の数の削減は、エンジンのメンテナンス作業の軽減とコスト低減に大いに貢献します。
当社では、従来のエンジンに比べて軽量でコンパクトであるだけでなく、燃料効率が大幅に向上した新型エンジン「X52-S」および「X62-S」をリリースしました。これらの新型エンジンは高い評価を受けており、上記5X52-S2.0型ディーゼルエンジンの受注以降も、このiSCR技術を組み合わせたエンジンの受注も順調に伸びています。
なお、iSCRはメタノール燃料およびアンモニア燃料の最新鋭の二元燃料(DF)エンジンでも一部選択※2が可能となっており、新燃料の採用により燃料タンク容量が増大しカーゴスペースが削られていく中、Tier-Ⅲ対策としてのiSCRによるスペース有効活用が期待されます。
当社は、お客様の様々なニーズにお応えすべく、今後もライセンサであるWinGD社と連携し脱・低炭素社会の実現に貢献していきます。
※1:就航船テスト用プロトタイプ型は除く
※2:ボア52cmと62cmのみ(2024年11月現在)
[お問い合わせ先]
株式会社三井E&S DU 営業部
TEL:03-3544-3131