VCR機構(Variable Compression Ratio System)世界初号機を受注
2023年6月14日
株式会社三井E&S(所在地:東京都中央区、社長:高橋 岳之)のグループ会社である株式会社三井E&S DU(所在地:兵庫県相生市、社長:匠 宏之)は、可変圧縮比機構(Variable Compression Ratio system、以下「VCR機構」)を世界で初めて受注しました。
このVCR機構は、日本郵船株式会社が株式会社大島造船所に発注した2隻のLNG燃料大型石炭船用に搭載される主機「6X62DF-2.1」デュアルフューエルエンジンに組み込まれるもので、当該本船は2025年に竣工する予定です。
VCR機構は、エンジン出力やLNG燃料の性状に応じた最適圧縮比に調整することにより、運航負荷など使用条件にも依りますが、ガスモードでは約3%、ディーゼルモードでは約6%の燃費を改善することができ、船舶運航時の燃料費とCO2の削減に大きく貢献します。
また、脱炭素化目標の達成に向け新しい燃料や技術を採用する際にも、さらには、既存船の性能改善の際にも、VCRは重要な役割を果たすことができます。
従来から圧縮比を可変することによる効果は周知されていましたが、複雑な構造による様々な制約のため、技術的に開発が困難でした。当社は、前身である株式会社播磨造船所時代の1948年から大型舶用低速エンジンの製造に携わっており、今まで培ってきた豊富な経験と、多岐にわたる産業分野で蓄積された最新の油圧、シール、潤滑、構造強度、制御などの卓越した技術を十分に応用し、様々な要素試験の積み重ねにより、このたび、当社が製造する大型舶用低速エンジンのライセンサであるウィンターツール ガス&ディーゼル社(所在地:スイス)と共に商用化することができました。
当社は、お客様の様々なニーズにお応えすべく、今後もウィンターツール ガス&ディーゼル社と連携し脱炭素社会の実現に貢献していきます。
【参考画像:VCR機構部】
[お問い合わせ先]
株式会社三井E&S DU 営業部 黒瀬
TEL:03-4366-8222